防災士インタビュー

中西康裕さん

お仕事の内容をお聞かせください

公立大学法人奈良県立医科大学に、事務職員として勤務しております。現在、大学・病院の防災業務を担当しており、消防・防災計画の改訂をはじめ、防災マニュアルの作成、防災訓練の実施等大規模地震に備えた本学防災体制の強化に努めております。

なぜ防災士の資格を取得しようと思われましたか

防災業務を担当するようになってからおよそ半年が経過し、その間、防災関連の文献を手当たり次第に読み、また自衛消防関係の講習への参加、防災体制の進んだ他大学・病院の視察等様々な方法を活用して防災に関する情報を集めておりましたが、患者さんや学生、職員、あるいは大学・病院としての機能を、大規模地震からどうすれば守ることができるのか、具体的な対策の講じ方がわからず自信をもって防災業務を進められずにおりました。もちろん絶対的に安心のできる防災体制などというものは存在しないと認識してはおりました。そんな折、職場の回覧書類の中に防災士研修の案内があるのを見て、すぐにウェブサイトにて詳細を調べたところ、防災士の資格取得は、防災業務を行ううえで非常に参考になるのではないかと思い、すぐに上司に受講可能か相談し了解をもらいました。

防災士の資格を取得して得たことを、どのように役立てようとされていますか

防災士研修では、防災分野において第一線でご活躍されている先生方による講義を聴くことができ、阪神・淡路大震災や東日本大震災をはじめとした様々な震災被害の実状を様々な角度から学ぶことができました。講義では、様々なビジュアル資料が示され、その中には目を塞ぎたくなるようなスライド写真もありましたが、講師の方々は丁寧に、情熱的に震災現場の実態を伝え、防災・減災の考え方、取り組み方について講義いただきました。防災・減災活動においては、常に新しい情報を収集し、それに基づいた備えを構築していくことが不可欠でありますが、情報が氾濫する昨今、どの情報が正しく、何を信頼して防災体制を組み立てていけば良いかといった判断は、非常に難しいと言えます。そういった中で、防災士研修で学んだ内容は、防災・減災活動を考え、実行するうえで私の一つの基盤的視点となりました。知識は日々更新され、現在主流に語られている言説も今後どのように変化していくかわからないということを前提としつつも、やはりまずはしっかりとした基礎的な知識無くして新たな知識やアイディアを積み上げることはできないと思います。今回研修を通して得られた知識なり視点を、本学防災体制をより一層強化していく中で、しっかりと反映させていきたいと考えております。

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