防災士インタビュー

藤原 規衣さん

災害現場ではどのようなことを感じましたか

災害が発生した場合、報道機関では避難の呼びかけや災害と被害の規模を取材し視聴者に伝える「災害報道」が始まります。
 「岩手・宮城内陸地震」を体験しましたが、取材をする私たちも被災者であることに変わりはなく、地震の比較的少ない群馬県育ちの私にとってはとても怖い経験でした。しかし目に映ったものは辛いことばかりではありませんでした。東北近隣の県や北海道など全国各地から飛んでくる防災ヘリコプター、私たち地元取材班の応援に駆けつけた系列局のスタッフ。被災地で市民を守るため休む間もなく働く消防、自衛隊、警察、自治体、日本赤十字社の方々を始め、震災を知って新潟県の中越地域から駆けつけたボランティア、被災者を勇気づけるカウンセラー、そして震災にあっても力強く前向きに生活する被災者の方々など、人の力の偉大さや勇敢さを目の当たりにしました。
 この震災の経験から災害が発生した際、最も大切な人命に関わる情報を伝える「災害報道」は放送局の最大の責務のひとつであると感じました。そして災害や防災についての知識を高めるために防災士になろうと思うようになりました。

研修を受けた感想はいかがですか

研修では過去に起きた災害のことや災害が起こるメカニズム、災害を最小限に抑えるための防災の知識などを学んでいくのですが、そこで得たものは仕事に関係があるという以前に「生きていくのに必要な知識」でした。しかし普通に生活をしていたら誰にも教えてもらえない知識で、防災のエキスパートである講師の話はとても興味深い内容ばかりでした。
 また各地から集まった防災意識の高い人たちと一緒に実践的な訓練も受けました。災害の規模などの情報を元に被害を想定したり、個人や地域、行政の課題を見つけたりすることや避難所の運営計画立案などの演習をしました。出身も年齢も様々な受講生と切磋琢磨しながらの講義は刺激的で、防災について楽しみながら学ぶことが出来ました。研修を受けて災害の規模や情報を伝える「災害報道」はもちろん、災害を未然に防ぎ被害を最小限に抑えるための「防災報道」に取り組んでいくことの大切さを痛感しました。

今後の抱負をお聞かせください

防災士の資格を得てからの私は、自社のニュースの中で防災に関する企画を立案し取材したり、県内で行われた「防災フォーラム」の司会をさせて頂いたりと「防災」の情報を発信して講習会で学んだことを仕事に活かすことが出来ました。
 災害に対して普段から意識すること、備えておくことは難しいものです。今後はさらに勉強を続け、防災に対する知識を高めたいと思っています。そしてその知識を元に「防災報道」に努めながら、視聴者と共に私自身も防災に対する備えをしていけたらと思っています。

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