防災士インタビュー

天田敏勝さん

お仕事の内容をお聞かせください

トラック運送業界は、自然災害などの緊急時に国や地方自治体と連携し、被災地への緊急・救援物資を輸送する重要な役割を担っています。職場ではこれに即応するための必要な体制整備や災害発生時の関係機関との調整を担当しています。2007年の石川県を襲った能登半島地震では、緊急参集して災害対策地方本部準備室を設置し、被災地の状況、会員事業者の被災状況調査、道路情報収集や県災害対策本部などの関係機関と情報交換を行い、連携確保に努めました。

なぜ防災士の資格を取得しようと思われたか

能登半島地震を契機に、会員事業者に対して地震時の防災知識や心構えのほか、緊急救援輸送の対応、応急手当などを盛り込んだ防災対策の手引き「災害に備えて」を作成しました。2011年の東日本大震災の発生を踏まえ、新たに津波への備えのほか、放射線防護の基礎知識も取り上げて、同手引きのリニューアルを手がけました。その際に近年の自然災害や災害発生のしくみなどを調べるうちに、専門的知識を習得したいという気持ちになり、体系的に学べる防災士研修を受講して資格取得にチャレンジしようと思いました。

実際に取り組まれていることがありましたらご紹介ください

出動要請をしたトラック運送事業者が、緊急時でも慌てずにトラックから物資の積み下ろしや集積などを行い、迅速・確実に物資を輸送できるよう、毎年、本番さながらの訓練を実施して緊急時の輸送体制に万全を期しています。そのほか、会員事業者の防災対策担当者やトラックドライバー向けに作成した「防災対策の手引き」や「防災ポケットガイド」を活用した講習会を必要に応じて実施するなどして会員事業者の防災意識と減災レベルの向上に取り組んでいます。

今後の課題・抱負をお聞かせください

災害は、「いつ、どこで、どのような規模」で発生するか予測がつきません。それだけに日頃から災害発生に備えて、事態を想定した訓練の実施や対策を講じることが大切です。トラックが機動力を発揮して緊急物資を輸送することで国民の生命を守る「ライフライン=命綱」としての役割が果たせるよう、防災士研修で学んだ知識と技術を活かしていきたいと思います。

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