防災士インタビュー

中田俊一さん

お仕事の内容をお聞かせください

ICT(情報通信技術)を使った地域情報化に関するインフラ整備やアプリケーション導入支援などの設計・コンサルティング業務を営んでいます。ICTは、各種情報伝達手段として収集・配信システムなど防災分野でも広く活用されているため、最近では、情報インフラやシステム、運用面など全般的に、より耐災害性の強化が図られてきています。

ご自身で被災された経験がございましたら、無理のない範囲でお聞かせください

東日本大震災の当日、東京で仕事があって地震に遭遇しました。地震発生後、すぐに仕事を切上げてホテルに戻ることにしましたが、時間が経つにつれ、都心の主要道路は、人と車があふれ、緊急車両もなかなか通行出来ないような状況となりました。普段と違う私たちの行動が社会の混乱を招き、被害を拡大させる要因になっているのだと、その時、実感しました。

なぜ防災士の資格を取得しようと思われましたか

東日本大震災以降、全国的に地震や津波に関する被害想定の見直しが図られました。そういった中、私の住んでいる街も例外ではなく、南海トラフを震源域とする地震が発生した場合、地震や津波などの被害を受けると推測されています。そのため最近では仕事上において、地域の防災や災害について関わることが多くなりました。
一方で、国や各機関において東日本大震災の調査結果や報告書などのとりまとめも行われ、様々な問題点や、新たな課題が示されてきています。そういった状況の中で、私自身がこれらの教訓を決して無駄にしてはならないという思いから、今回防災士の資格を取得することとしました。

防災士の資格を取得して得たことを、どのように役立てようとされていますか

防災士研修では、あらためて「人命第一の防災の大切さ」を学ぶことができました。また、報道やメディアでは伝えられていないような貴重な話を聞くことができ、災害の要因や備えることの重要性など豊富な知識を身につけることができました。今後は、防災士の視点から、ICTの利活用などについても、この知識を活かしていきたいと思っています。地域では、身近な知人や職場・付近地域にむけて情報を発信して地域づくりに活かしていきたいと思います。

今後の課題、抱負をお聞かせください

職場や地域での活動をしていく中では、防災活動が一過性のものにならないようにしなければいけません。そのためにはマンネリ化しないよう、生活や日常の活動の中に防災活動を取り込んでいくことが必要だと考えています。今後は、いろいろな立場の人たちと連携をとりながら、活動の幅を広げていきたいと思います。

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