防災士インタビュー

徳野陽香さん

お仕事の内容をお聞かせください

 「こどもみらい塾」で小学生に勉強を教える仕事をしています。「こどもみらい塾」とは、小学生が放課後に来て、算数や国語、図工、手芸、そろばん、書道などを学んだり、子供たち同士で遊んだりする“滞在型塾”です。私はそこで子供たちに勉強を教えるほかに、食事のお世話をしたり、一緒に遊んだりしています。

被災された経験がございましたらお聞かせください

 東北地方太平洋沖地震の3月11日、私は海外にいて現地のニュースで日本の地震を知りました。家族や友人の安否をなかなか確認できず、非常に不安になりました。また帰りのフライトに関する正確な情報を得るのに時間がかかり、私を含めた大勢の日本人が混乱の中にいました。このとき迅速かつ正確な情報の大切さと、人々の不安を取り除くことで混乱を回避する必要性を感じました。また帰国後の余震がかなりストレスになっていたらしく、体調を崩しました。私の周りでも震災がストレスで体調を崩した方が何人かいました。

防災士の資格取得のきっかけ

 平成22年10月に気象予報士の資格を取得し、防災に関する知識も身につけたいと思ったのがきっかけでした。現在は今の仕事をしつつ、気象に関する仕事をすることを目指しています。

防災士の資格をどのように役立てようとされていますか

 防災士の知識を活かして、家や職場などにおける、震災時のリスクを減らすことに役立てたいです。また、気象関係の仕事に就けたら、気象情報を伝えるにあたって、防災の知識も人々に伝えていきたいと考えています。

実際に取り組まれていることがありましたらご紹介ください

 家の中を片付けました。とにかく捨てて、捨てて、捨てまくりしました。私の部屋のコンセプトは、“落下物ゼロ、すっきりとして気持ちいい部屋”です。(笑) 地震が起こったときに落下するであろうもの、動き回ってしまうであろうものは、全て収納しました。リスクが減って、気持ちもすっきりして一石二鳥です。  職場でも同様、危険なものは、地震が起こっても出てこない場所にしまいました。

今後の課題や抱負をお聞かせください

 今は、個人的なレベルでしか防災士の知識を活かせていないので、今後はもっと多くの方にこの知識を伝え、少しでも周りのリスクを軽減していきたいです。  また、今回の震災を機に、人々の防災に関する興味は高まっていますが、不正確な情報に惑わされてしまい、効果的な震災への備えができていないのも事実だと思います。不正確な情報は人々に不安を与え、混乱のもとになるので、正確な情報をお伝えする担い手となっていけたらいいなと思っています。  今回の大きな地震により、今後地震が起きる確率が上がったという見方もあります。今後の大きな地震に備えるべく、毎日の生活でできることをみんなで考え、共有していきたいです。

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