防災士インタビュー

與儀浩士さん

お仕事の内容をお聞かせください

 千葉市立小学校の教諭として勤務しています。担当は生徒指導、学年主任です。

ご自身で被災された経験がございましたら、お聞かせください

 東日本大震災発災時は、勤務校で6時間目の授業に入っているところでした。数日前にも宮城県沖を震源とする地震があり、その時と同じようなゆったりとした揺れで始まったので、「また、同じ地域が震源だな」と考えていたのを覚えています。その後、大きな横揺れに変わったので、子どもたちに机の下に身を隠すよう指示し、自分も隠れました。初期行動の後、校庭に一次避難したかったのですが、揺れがなかなか収まらず、放送では、だいぶ長い間、机の下に隠れているよう指示が出ていました。北側の校舎と南側の校舎をつなぐ渡り廊下も一部破損したため、校舎の中で児童とともに待機をすることがとても不安でした。

なぜ防災士の資格を取得しようと思われましたか

 大学生の時に阪神淡路大震災がありました。目を疑うような状況に、自分も何かしなければ、と思いましたが、その頃は何をしたらよいのか見当がつかず、何もできませんでした。今回の大震災で、「やはり、自分も何か行動したい、行動しなければ…」と考えたとき、防災士の資格を知り、取得しようと思いました。取得することで、「自分にもできること」がわかるのではないかと思いました。

防災士の資格を得たことを、どのように職務や地域での活動に役立てようとされていますか。また、現在、実際に取り組まれていることがありましたらご紹介ください

 防災士研修講座の中で聞いた「まずすぐに用意する防災用具はジャッキやバールなど、命を救う道具」という講師の先生の話を機会があるごとに知り合いや子どもたちに広めています。命あってのその後であるということは、当たり前なのですが、意外と気づかないことです。寝室の家具もすぐに再点検しました。
 また、気象予報士の資格ももっているため、警報・注意報が出そうなシビア現象が予想される日には、職場でも話題にし、予想される災害などについて説明しています。少しでも心の準備があると、それらの状況に備えたり、いざという時にすぐに避難行動に結び付くと思います。また、そういった現象がどんな時にどのように起こるのかを機会があるごとに話題にしています。
  校外に宿泊学習に出ることもありますので、その際には事前に保護者の皆様や子どもたちに地震・津波・気象災害について話し、それぞれが自分自身の命を守るためにはどうしたらよいのかを考えてもらうようにしています。
 このように、日ごろから、防災について話題にするようにしています。そうすることで、「いざ」という時に普段から備える姿勢を多くの人に知ってもらえればと思っています。また、思いやりの心を大切にして、コミュニケーションを取り合い、ともに協力・協働できる学級づくりを心掛けています。特に、子どもたちの命を預かる職場ですので、それらの取り組みが、多くの命を救うこと、ひいては次世代の日本の防災意識の向上につながると考えています。

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