防災士インタビュー

山盛 元さん

お仕事の内容をお聞かせください

沖縄県石垣市で、定員90人の認可保育園「やしの実保育園」で施設長として働いています。施設長は保育面だけでなく、組織の方針、施設の管理、地域との渉外など、総合的に保育所の運営を管理する立場です。職員・保護者・地域がお互いに関わりつつ、安全な環境で子どもの成長を育んでいくことが目標です。

なぜ防災士の資格を取得しようと思われましたか

東日本大震災を受けて、保育園での防災対策を振り返った時、自身の知識を深める必要があると思ったことがきっかけです。保育園関係の研修やテレビで、被災しながらも適切な判断で子ども達の命を守ることができた現地の方々の話を聞く機会があり、私はそのような話を聞く中で、「いざという時の判断は私がすることになる。そのとき皆を守る正しい判断ができるだろうか」と思うようになりました。そう思いながら日々を振り返った時、災害に関する知識をもっと深める必要があると感じました。

実際に取り組まれていることがありましたら、お聞かせください

震災以降、保育園の防災対策を総合的に見直しており、特に地震や津波に関しての保育園での対応力を向上させるべく努力しています。保育園では月に1回以上避難訓練をするのですが、沖縄では体感する地震の数がかなり少ないためか、地震への危機意識が高くなく、地震や津波を想定した訓練はあまり実施していませんでした。そこで、地震後に津波警報が発令される想定での訓練を行い、より緊張感を持って避難訓練を行えるよう、日時設定を抜き打ちにするなどの取り組みをしてきました。防災士の資格取得後は、普段の朝礼の合図の際に、施設内放送設備を使ったり、地図を持ちながら実際に避難時のルート上の危険を確認する、といった機会を作ったりと、私だけでなく職員皆が災害に対して当事者意識を持って考えられるような環境作りを目標とした改善を行っております。

今後の課題をお聞かせ願います

保育園での防災対策を向上させるなかで、保護者との協力関係はとても重要です。今後は保育園から家庭に対しても防災の面からの提案や呼びかけなどを積極的にしていく存在になりたいと思っております。

防災士について
防災士インタビュー