防災士インタビュー

小林亜希さん

お仕事の内容をお聞かせください

 企業、業界団体、中央官庁、地方公共団体等を対象に、「リスクマネジメント」のお手伝いをしています。“リスク”は色々と挙げられますが、やはり一番ニーズが多いのは地震です。その他にも、新型インフルエンザ・テロ等のリスクにも携わってきました。具体的には、「事業継続計画(BCP)の策定」「各種対応マニュアル策定」「研修」「シミュレーション訓練」等を支援しています。 実際のシミュレーション訓練の様子はお見せできないのですが、右の写真は数年前に撮影した、同僚と災害対策本部の訓練風景を演技(笑)しているところです。実際にはもっと大がかりに40名~100名くらいで実施します。また、2009年に作成を支援した農林水産省の“新型インフルエンザに備えた家庭用食料品備蓄ガイド”は公開されているので、よろしければご活用ください。

ご自身で被災された経験がございましたら、無理のない範囲でお聞かせください

 自然災害ではないのですが、2005年7月7日のロンドン同時爆破テロを現地で体験しました。現場に居合わせたわけではありませんが、通っていた大学の最寄駅に向かう地下鉄、普段利用している路線バスの爆発で多くの方が亡くなったため、タイミング次第では巻き込まれていた可能性がありました。当日は遠隔操作による次の爆破を防ぐため、携帯電話がつながらなくなり、多くの友人の安否が確認できず、とても不安でした。また、タイヤのパンク音にも道行く人が全員立ち止まるような、街中が異様な緊張感に包まれた状態がしばらく続きました。この経験で、「緊急時の恐ろしさ」と「平時から備えることの大切さ」を学んだことが、今の私につながっています。

なぜ防災士の資格を取得しようと思われましたか

 防災に関して知っておかなければならないことは無数にありますが、自分自身で勉強するには限界があります。防災士研修センターのホームページをチェックしたところ、幅広い分野をバランスよく、素晴らしい講師の方々に教えていただけることがわかり、自分の防災知識の強化のために取得することを決めました。  また、防災に強い関心のある方々とネットワークを構築できるのではないかと思いました。実際に研修に参加してみると、さまざまなバックグラウンドの志高い方々と出会えたり、素晴らしい先生方とお話しできたり、思った以上に得るものがありました。  最後に「防災士」という肩書きがあることで、防災に関心のない方に対してお話をするきっかけとなったり、私が防災に強い関心を持っていることがわかっていただけるのでは、と期待しています。

現在、実施に取り組まれていることがありましたらご紹介ください

 防災士の資格を取得したこともあり、ゴールデンウィークには個人で「災害ボランティアバスツアー」に参加し、東松島市の民家で泥だしや泥だらけの食器洗い等をお手伝いさせていただきました。大きな災害の一部を目の当たりにして、自分の無力さも実感しましたが、小さな力でも積み重なれば一助にはなると思うので、これからも継続的に現地に足を運び、少しでも役に立てればと思っています。  今後は、この経験をできる限り多く人と共有する等により、周囲の方々の防災意識を高める活動を行っていくとともに、いざというときに防災士として適切な行動をとれるように自分自身を鍛錬していきたいと思います。

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