防災士インタビュー

井上友貴さん

なぜ防災士を取得しようと思われましたか

東日本大震災による大津波の被害を受けた地域で、ガレキ撤去を中心としたボランティア活動を行う中で、その被害の大きさに強い悲しみを覚えました。加えて、私のふるさとは南海トラフ巨大地震によって大きな被害を受けることが懸念されている地域の一つであることから、有事の際に自分に何かできることはないのか、日頃から考えるようになりました。その中で出会ったのが「防災士」でした。有事の際に率先して動き、平時から防災に関する意識を持ち合わせている、このような側面を持ち合わせた防災士の活動は自分にできることの一つだと考えたからです。

現在、取り組まれていることがありましたらご紹介ください

現在、私は金沢大学のボランティアさぽーとステーションという東日本大震災からの復興支援活動と、地域に還元する活動を主とする団体に所属しています。およそ2ヶ月に1回、同団体のメンバーとともに岩手県陸前高田市に赴き、側溝の泥出しの手伝いをしたり、仮設住宅にて心の支援を目的とする足湯活動を行ったりしています。そこで学んだことや新たに分かった課題などについて議論し、以後の活動に生かしています。そして、金沢市内などで報告会を行い、「震災」を伝えていく活動もしています。これは、今回の悲惨な事実を風化させないためにも私たちがしなくてはならないことです。これ以外にも防災に対する意識を啓発したり、避難所までの経路の確認を促したりする活動なども報告会の中で行っています。また、地域の講演会にも積極的に参加しています。

今後の課題、抱負をお聞かせください

私は大学で、診療放射線技師になるための勉強をしています。その中で、放射線に関する様々なことを学んでいますが、この知識を生かして、福島の原発問題と自分にできる範囲で向き合っていきたいと考えています。放射能・放射線に対する偏見や差別が問題になっていますが、私たち放射線について学ぶ者が学んでいることを上手く活かせれば、これらの偏見や差別を無くす一歩につなげることができると考えています。

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