防災士インタビュー

村山誠一郎さん

お仕事などについて、お聞かせください

普段は雑誌や書籍、Webなどでコラムやニュースなどを執筆しています。主にPC関連などのデジタル系の記事を得意としていますが、しばしば歴史や神話伝承などアナログなテーマを手がけることもあります。2012年末より防災・減災に特化したウェブサイトの運営に参加し、地方自治体や省庁、企業への取材を通じて、これまでにおよそ150本の記事を執筆しました。その際に、「防災士」という存在を知り、防災や減災への理解を深めたいとの思いから防災士の資格を取得するに至りました。

防災士の資格を取得して得たことを、どのように役立てようとされていますか

日頃、災害関連のニュースなどを見ていると、被害状況などの情報が先行しており、防災や減災に関する情報は、まだまだ不足しがちだと考えています。一般的に家具の固定、持ち出し袋、消火器などの重要性は広く認知されていますが、他にも知っておくべき予備知識はたくさんあります。たとえば、持ち出し袋は家ではなく車に保管しておけば建物の倒壊を避けられる、女性のストッキングは熱で溶けやすいので火傷のリスクが増す、避難時にはハイヒールのカカトを折れば歩きやすくなるとか、面白いところでは油漬けのツナ缶は簡易ランタンとして照明にできる。他にも、大きなテーマでは、家族の一員とも言えるペットとの同行避難についてや、避難所生活でのストレスケアをどうするかなどは知っておくべき重要な知識かと思います。

今後の課題、抱負をお聞かせください

防災や減災についての情報は、どちらかというと硬いテーマであるため、気軽に読めないという弱点があります。地震の周期で言えば今の若い人は生涯で2、3回くらいは大きな地震に遭う可能性があるため、若い人にも読んでもらえるような記事をどうやって書けるかは防災ライターとして一つの課題と考えています。またライターという職業柄、知識ばかりになってしまう側面があるので、実践面でも負けないようにしたいと思います。日頃から避難所を確認したり、近隣者とのコミュニケーションを広げたり、いざというときに率先避難者になれるといいとも考えています。昨年より多くの取材を通して感じたことですが、多くの人々が防災・減災に真摯に取り組んでおり、今の日本は世界でまれに見る防災国家に生まれ変わろうとしていると思います。そうした中で自分ができることはとても小さいことかもしれませんが、記事などを通して、少しでも防災や減災について啓蒙できたらいいなと思います。

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