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熊本地震 1年後 被災地レポート/撮影:防災士研修センター 甘中繁雄

 「熊本地震」が発生してからちょうど1年後の2017年4月16日。激しい揺れに見舞われた街は、いまどのような状態なのだろうか。被害を受けた熊本県内(熊本城、益城町断層、阿蘇神社、阿蘇大橋崩落現場、下野山田仮設住宅)を巡り、復興状況を視察した。

 熊本城では天守や櫓など重要文化財に深刻な被害が出た。櫓には鉄の腕(倒壊防止用鉄骨)が差し込まれ、崩れた石垣にブルーシートがかけられ、屯パックで石垣の倒壊を防いでいる。崩れた石は一つ一つ綺麗に並べられ、再建時に元通りに組み立てることと思われる。また天守にはクレーンが横付けされこれから修復作業が始まるものと思われる。熊本県の発表では復旧完了は20年後とされている。

 被災地では、地震直後に避難生活を送っていた人たちは18万人。1年たった今でも4万7,000人が住宅の再建などができず、仮設住宅などで生活を送っている。そのうち、およそ4分の1の方が、プレハブ型などの応急仮設住宅に住んでいる。それ以外の多くの方が避難生活を送っているのが、「みなし仮設」。民間の賃貸住宅を仮設住宅とみなしたもので、3万人以上が暮らしている。

 南阿蘇村下野山田地区には熊本県土木部建築住宅局の努力と熱意により、バリアフリーやコミュニケーションが生まれるよう配慮した「みんなの家」のある仮設住宅が完成した。高校生(書道部)が書いた看板等、世代を超えた交流が計られた素晴らしい施設だ。

益城町堂園付近には明瞭な地震断層が出現した。堂園地区における地震断層は複雑な様相を呈している。その断層の活動履歴を明らかにするため、トレンチ調査が実施されている。

 阿蘇大橋が落下した南阿蘇村では、大規模な斜面崩壊現場で、斜面上部に残る多量の不安定土砂の崩落による二次災害を防ぐための工事が実施されている。また、新阿蘇大橋の建設に向けての工事も始まっているが、完成予定は示されていない。被災された地域の復興には難題も多く、時間も必要と思われる。


犠牲者のご冥福と被災者の一日も早い生活再建をお祈り申し上げます。

視察用地図(①~⑤)

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熊本城天守の横にクレーンが

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倒壊寸前の櫓

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崩れた石垣

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倒壊防止対策

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観光ルート安全確保

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石垣の石を整理

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益城町堂園地区の横ずれ断層(右ずれ225cm)

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民家の横を走る断層

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農道に断層の動いた形跡

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トレンチ調査

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下野山田地区の仮設住宅

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熊本県産材使用、熊本県内の工務店が建築

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3戸で1棟、棟ごとの間隔は広い

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室内を広くする工夫

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スロープ等、高齢者・障碍者への配慮

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キッチン

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水洗トイレ

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間取りは3K、和室も有り

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空き室に入り、広さ体感

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押入れ、収納スペース

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屋根裏部屋と収納式階段

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収納スペースとして利用可

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みんなの家

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コミュニティ施設として利用

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看板は地元高校の書道部生徒が

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お茶を飲んだり、料理をしたり、ゆったりしたスペース

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阿蘇神社に奉納された「神楽」

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満開の桜の下、舞を通して再興を願う

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崩落した阿蘇大橋

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崩壊斜面の真下から撮影

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国土交通省の特別な許可を得て視察

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対岸(東海大学側)を見る

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工事車両用の道路を造る作業

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対岸まではかなりの距離と高低差

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新しい阿蘇大橋の建設計画場所

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国道57号線から対岸の工事現場まで建設予定

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パノラマ撮影で

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九州JR、豊肥線の跡

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線路と枕木が取り外されている

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